石油ストーブによる加湿効果2014年03月13日

私はこれまで、「石油ストーブで使う“灯油”は炭素と水素の化合物であり、灯油を燃やすと空気中の酸素と結合して“炭酸ガス”と“水蒸気”になる」という程度には理解していましたので、灯油が燃焼してできる水蒸気により加湿効果が得られるのだろうと何となく認識しておりました。ですが、「じゃあ、どれくらいの水分が発生するの?」と訊かれると定量的に答えられるだけの正確な知識は持ち合わせておりませんでした。
 
燃焼の結果

そこで、「灯油1リットルを燃やすとどれくらいの水分(水蒸気)が発生するのか」について調べてみました。ネットで調べたら化学式を使って親切丁寧に説明してあるブログページが見つかりました。

そのネット情報によると、
   ★1リットルの灯油を燃やしたときに発生する水分
     ⇒液体にして1.13リットル

となるのだそうです。(詳しくはこちら

【註】 灯油は炭化水素ではあるのですが、炭素数が12前後の複数分子の混合物なので一つの化学式では表せません。上記の数値は便宜上、炭素数12水素数24の分子で代表させた場合の計算例と捉えるのが適当だと思います。

我が家でメインの暖房器具として使っている“反射型石油ストーブ”の灯油消費量は0.28リットル/H(最大)という仕様ですが、実際には火力を弱めて使用していますので、経験的には0.22リットル/H程度と考えられます。

これより、1時間に発生する水分量は 、
     0.22リットル×1.13≒0.25リットル
ということになります。つまり、1時間に0.25リットルの割合で加湿されているということなんですね。

ちなみに、家庭用として販売されている一般的な“加湿器”では、加湿量が0.5リットル/H程度のようです。石油ストーブによる加湿効果は、市販の加湿器の半分程度になるんですね。

参考までに我が家での経験からザックリした値で言うと、石油ストーブを使っているときの部屋の湿度は45~50%ですが、エアコンだけを使った場合には湿度が35%程度と低い値になります。エアコンによる暖房の場合には加湿効果が全くありませんので、この湿度の差が石油ストーブによる加湿効果と考えられます。
 
温湿度計
                ※ 我が家で使用している「温湿度計」

でも石油ストーブによる暖房の場合、水分と同時に二酸化炭素も出ているので、定期的な換気が必要になります。この換気によって折角の加湿効果も減殺されてしまいますが、一酸化炭素中毒にならないようにするにはやむを得ないですね。

◆ ◆ ◆
ところで、石油ストーブとは直接関係がないのですが、人体からも多くの湿気が出ているという話をよく聞きます。興味を持ったついでに調べてみると、人体からの湿気は“発汗”と“呼吸”によって出され、その量は1日一人当たり1リットルほどになるのだそうです。(排泄される水分を除く。詳しくはこちら

人体から出る湿気を一人1時間あたりの量に換算すると、およそ0.042リットルとなりますので、石油ストーブからの水分に比べればほんの僅かということになるのですが、クルマに多くの人数が乗車した場合に窓が曇りやすくなるのは、人体から出された湿気が主な原因なんですね。

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