電力使用量の蓄積データを活用する2020年09月15日

前回のブログでは、スマートメーターからBルートサービスにより提供される“現在の電力使用量(ワット)”をモニターするための機器製作について紹介しました。

製作した機器には電力資料量のモニターだけでなく、Bルートサービスにより得られたデータをWiFiを介してインターネットのクラウドサービスに送信する機能があります。
 
データ送信のイメージ
                  ※ この図はこちらからの部分的引用です。

この機能により、パソコンを立ち上げることなく連続してクラウドのサーバーにデータを蓄積することができるというわけです。このクラウドサービスについても、前回のブログで紹介したブログ記事(詳しくはこちら)に書いてありましたので、大いに参照させていただきました。

今回のブログでは、「電力使用量の蓄積データの活用」について紹介したいと思います。

蓄積されたデータは、 「30分ごとの積算電力値(kWh)」および「30秒ごとの電力使用量(w)」です。クラウドサービス(Ambient)にログインすると、それぞれの蓄積データをダウンロードするためのボタンがありますので、いずれかのボタンをクリックします。
 
ダウンロードボタン

さらに「いつのデータ」と「データ量」を指定するとパソコンにcsv形式のファイルがダウンロードされます。
 
データ指定の画面

ダウンロードしたファイルをExcelで開くとこんな感じになります。この例では、1列目に世界標準時(UTC)で日付と時刻のデータが、2列目に時々刻々の電力使用量のデータが表示されています。ただし、これらのデータは“文字形式”ですのでExcel上で“数値形式”に変換する必要があります。
 
csvファイルの例

Excelの組み込み関数(MID関数、DATEVALUE関数、TIMEVALUE関数)を使って文字形式を数値形式に変換することにより、作図するなどのデータ処理が可能になるのですが、ダウンロードしたファイルの日付と時刻のデータは世界標準時(UTC)となっています。なのでデータ処理を行う際には、まず日本標準時のデータに変換しておくことに注意が必要です。

最初に、30分ごとの「積算電力値(kWh)」データ1日分を使ってグラフにしてみました。24時間の推移はこんな感じになります。もちろん、Excelを使っての作図なので自分の好みで自由にデザインできます。これはその1例です。
 
関銭電力値のグラフ作成例

次に、30秒ごとの「電力使用量(瞬間値、w)」データ1日分をグラフにしたのが次の図です。エアコンや調理器具など消費電力の大きい家電を使うと、急激に値が上昇するのが分かります。また、就寝している時間帯にも一定レベルの電力が使われていることが分かります。
 
電力使用量のグラフ例

ここで、この瞬間値は30秒ごとの離散データなので、30秒の間に生じている急激な変動は表現されていないことに注意が必要です。例えば数秒間大電流が流れたとしても、それがサンプリング(30秒間隔)の間に起こったのであればグラフには表現されないことになります。グラフ上のピーク値が必ずしも実際のピーク値とは限らず、実際にはもっと大きなピーク値が隠れている可能性があります。

ほかに、こんなデータ処理も試みました。30秒ごとの電力使用量のデータをオイラー法で積分し、30分ごとの電力消費量(kWh)を求めて棒グラフにしました。その結果が次のグラフです。これは、Excelを使えばこんなこともできるという1例です。
 
応用グラフの作成例

ほかにもExcelの関数を使っていろんな統計処理もできます。例えば、、、、、
    ● 1日の累計消費電力
    ● 1日の最大消費電力
    ● 1日の最小消費電力
などです。

まだ使い始めなので、とりあえず思いつく「蓄積データの活用方法」としては次のようなことですが、今後使っていく中で実用的な活用方法が次第に固まっていくだろうと考えています。
 (1)一日の電力使用量がどのように変動しているのか把握できる
 (2)各家電製品の使用と電力使用量の関係が把握できる
 (3)季節ごとの電力使用量パターンの違いが把握できる

詳細なデータベースがあればいろんな活用方法が考えられますので、その工夫をするのも楽しみ方の一つですね。

電力使用量をリアルタイムでモニターする2020年09月12日

だいぶ前になりますが、我が家に設置してある積算電力計が新型に切り替わりました。外見上は、従来のアナログ方式からデジタル方式になっただけのように思えます。
 
スマートメーター

でもこの新型メーター(“スマートメーター”と呼ばれています)、そんなに単純な違いではないみたいです。従来と何が違うのかについてネットで調べてみると、スマートと名付けられるだけあって無線通信機能が備わっているんです。無線通信機能が備わることにより、主に次のようなことができるようになるとのこと(詳しくはこちらを参照してください)。

   ● 検針員による読み取り作業が不要(遠隔操作での読み取り)
   ● 遠隔操作での電源の接続や切断が可能
   ● 契約アンペア数の設定が遠隔で可能(内部にブレーカー組み込み)
余談になりますが上記3番目のブレーカーについては、従来は家庭内の分電盤にメインのブレーカーがあり、そのブレーカーは契約アンペア数に対応したものが取り付けられているのですが、スマートメーターで制御するようになれば分電盤のメインのブレーカーが不要になるらしいです。

さらに、この無線通信機能の中には “Bルートサービス”というのがあり、一般ユーザーが利用できるようになっています。Bルートサービスのイメージはこんな感じです。
 
Bルートサービス
                    ※ この図は、こちらからの引用です

図中の赤い線がBルートサービスです(詳しくはこちらを参照してください)。図中にある“HEMS機器”というのは、最近の新築住宅にオプションで用意されている電力モニター用の機器のことですが、工事費を含めると高額になるので気軽には導入できなさそうです。

以上の情報から「Bルートサービスの利用は高額でかつ難しそう」なので諦めかけていたのですが、「ネットに興味深いブログ記事がある」と知人から教えてもらいました。必要な機材をネットで購入し自分でセットアップすると、自宅の電気使用状態がモニターできるようになるんだそうです(詳しくはこちらを参照してください)。

なかなか興味深い内容だったので、このブログ記事を何度も読み返しているうちに、何となく自分でもできそうな気持ちになり、コロナ禍で巣籠もり気味ということもあってモニター機器の製作に挑戦してみることにしました。「自分でプログラムを書いたりしなくても実現できそう」というところが挑戦する気になったきっかけです。

~ ~ ~ ~ ~
まずは、東京電力への「Bルートサービスの申請手続き」です。東京電力からの検針票を見ながら(検針票に記されている情報が必要なため)ネット上で簡単に手続きができました。そして数日後、郵便とメールで「認証ID」と「パスワード」が届きました。

次に、必要な機材の購入です。上記のブログ記事を参照しながらネット通販で発注し、数日後にモノが揃いました。次の写真は購入した機材です。写真右側がスマートメーターと無線通信する基板、中央が液晶表示器を備えた小型マイコン、左側が両者を接続するためのアダプターです。
 
購入した機材

ブログ記事を参照しながらこれらの機材を組み立てました。組み立て完了後の機器はこんな感じになります。
 
組み立て後

この機器はバッテリーを内蔵しており、ある程度の時間なら電源ケーブルを接続しなくても使えるので、家の中で移動しながら利用できます。ですが、長時間利用する場合にはUSBケーブルを接続して電源を供給する必要があります。

次はソフトウェアのセットアップです。ソフトウェアのセットアップはかなり手強かったですが、ブログ記事を参照しながら何とか終わらせることができました。セットアップ完了後に電源をオンにしたら、機器に内蔵された液晶表示器には次のように日時電力使用量が表示されるようになりました。
 
データの表示状態

これで、我が家の電力使用量をリアルタイムでモニターできるようになりました。消費電力が大きい家電を使うときは、表示された値をモニターしながら全体の電力使用量をコントロールすることにより、うっかりブレーカーが落ちるようなトラブルを避けることができます。

今回の挑戦では、こちらのブログ記事が大いに役立ちました。ブログ主さんには感謝感謝です。また、このブログ記事のことを教えてくれた知人にも感謝です。

今回製作したモニター機器は、単に電力使用量を表示するだけでなく、家庭内の無線LAN(WiFi)を介して、インターネット上のクラウドサービスにデータを送信してデータを蓄積することができるようです。
次回のブログでは蓄積したデータの活用方法について紹介したいと思います。

40年前の電卓がついに!2020年09月07日

若いときから愛用していた電卓(カシオ製、fx-180P)が突然動かなくなってしまいました。電池切れかなと思って電池を交換しましたがウンともスンともいいません。どうやら、ついに寿命を迎えたようです。
 
寿命を迎えた電卓

この電卓は1980年に購入したものです。その当時は、現在広く普及しているスマホ・タブレット・パソコンなどを個人で所有するような状況ではなく、科学計算の機能が豊富だったことから技術屋の仕事には必須のものでした。

これまでに内部が故障するようなことはまったくありませんでした。乱暴に扱ったせいかケースが割れるようなトラブルはありましたが、アルミ板で補強するなどして利用し続けてきました。

最近は便利なIT機器が身の回りに沢山あるので、さすがに科学計算などに使うことはなくなってしまいましたが、それでも何かを集計するような計算の必要が生じたときには気軽に利用していました。

それにしても40年もの間よく働いてくれました。本当にお疲れ様でした。

バッテリー充電器の購入2019年05月29日

我が家の買い物グルマのバッテリーを交換した際、古いバッテリーはまだ使える状態だったので、電動ドライバーなどの電源として利用しています。しかしながら、このバッテリーに充電するのにこれまでパソコン周辺機器の電源ユニットを利用していたのですが、電源容量が十分ではないので十分に充電できずにいました。

そこで、この際思い切って自動車用のバッテリー充電器を購入することにしました。ただし、本格的な仕様の機器ではなく、小電流で充電する簡易型の充電器です。この手の充電器だと非常に安価に入手できるみたいです。

購入した充電器の外観はこんな感じです。安価なだけに中国製のようです。
 
本体外観

でも、侮るなかれ!!!実に豊富な機能を備えているんです。保護機能だけで次のような内容になっています。
     「過電流保護」  「短絡保護」   「逆接続保護」
     「過熱保護」   「過電圧保護」  「低電圧保護」
さらに、「サイレント冷却ファン」が付いており、最大で5Aまでの電流が流せます。「通常充電機能」のほかに「修復充電機能」も備えています。また、液晶画面が付いていて「電圧」「電流」「外気温度」などの表示ができるようになっています。

電源を接続しない状態でバッテリーに接続すると、バッテリーの電圧を表示します。
 
バッテリー電圧の表示

この状態で電源を接続すると、自動的に通常充電が始まり、「充電電圧」や「充電電流」が液晶に表示されます。充電が完了すると自動的に電流が切断されます。次の写真は充電電圧が表示された状態です。
 
充電電圧の表示

バッテリーがかなりへたっている場合には、パルス状に高めの電圧をかける「修復充電機能」を使うことにより回復を試みることができます。次の写真は修復充電機能が作動しているときの液晶表示です。
 
修復充電時の表示

このように、低価格(2千円)の割にはなかなか高機能な充電器なのですが、取扱説明書が小さな紙切れ1枚というのが難点です。それも英語版だけです。
 
英語の取扱説明書

修復充電機能でへたったバッテリーをどれだけ修復できるかちょっと怪しいですが、通常充電機能は十分使えると思われます。

エアコン運転時間と電力使用量の関係2019年04月27日

今週は天候が不安定で、水曜日から雨が降ったり止んだりの空模様が続いており、ず~っと散歩ができませんでした。本日の天気予報によれば日中には回復するとのことですが、今にも降りそうな曇り空のままです。

散歩ができない日が続きましたので、暇に任せて「エアコン(暖房)運転時間と電力使用量の関係」について分析を試みました。手持ちデータを使っての分析ですので、正確さに欠ける面はあるかも知れませんが、少々興味深い結果が得られましたので紹介したいと思います。

~ ~ ~ ~ ~
この冬には、これまでないくらいエアコンによる暖房を多く使いましたので、電力使用量が例年よりも多くなるだろうと覚悟していました。ですが、運転時間をかなり多くした割には増加した電力使用量は僅かな量に留まったようです。

そこで、エアコン運転時間と電力使用量の関係についてデータで調べてみることにしました。ただし、両者に関する詳細なデータは持ち合わせていないため、手元にあるデータを使った分析なので大雑把なものになってしまいますが、何らかの傾向を見出すことができればラッキーと思って着手しました。

まず、エアコンの運転時間についてのデータ化です。
我が家のエアコンに累積運転時間を記録する機能が備えてあれば良いのですが、残念ながら備わっておりません。でも、フィルターの自動清掃機能は設定した運転時間間隔で作動するようになっていますので、これを使えばおよその運転時間を推定できそうです。幸いにもエアコンの自動清掃機能が作動した日をマークしていたので、これを使って運転時間を推定することにします。

1月から3月までの3ヶ月間に、エアコンの自動清掃機能が作動した回数は次のように記録されています。
 
自動清掃機能

自動清掃機能の作動間隔は40時間(標準設定)になっていることから、それぞれの運転時間は次のように算出されます。
 
運転時間

この4ヶ年の推移をグラフにすると次のようになります。
 
運転時間の推移


次に、電力使用量の算出です。
検針票に記された毎月の電力使用量から、1月から3月までの3ヶ月間における我が家の電力使用量を合計すると次のようになります。
 
電力使用量

また、この4ヶ年の推移をグラフにすると次のようになります。ここ数年は、石油ストーブの使用時間を減らしながらエアコンの使用時間を増やしてきているので、電力使用量は漸増傾向となっています。
 
電力使用量の推移

ただし、上記の電力使用量の値は、エアコンを含むすべての家電による我が家の電力使用量です。ここでは、エアコンの電力使用量とみなせるデータにするため、エアコンを暖房として使っていなかった2014年以前の5年間における1~3月期の電力使用量データを用いてエアコンの電力使用量を推定します。

2014年以前の5年間の電力使用量(1~3月期)の合計は以下のようになります。
 
エアコンなしの電力使用量

これらの平均値である950kwhを差し引くことにより、およそのエアコン暖房の電力使用量を推定することにします。エアコン暖房の電力使用量は次のようになります。
 
エアコンの電力使用量

以上で得られたデータから、2016~2019の1~3月期におけるエアコン運転時間とエアコンによる電力使用量の関係(相関)をグラフにすると次のようになります。
 
運転時間と電力使用量の関係

この図から、エアコンの運転時間と電力使用量は必ずしも比例関係にはならないことが分かります。とりわけ、この冬(2019年)はエアコンの運転時間が昨年(2018年)の倍程度になっていますが、電力使用量の差は10kwh強とわずかな増加に留まっています。

この結果から、「エアコンで暖房する場合、節電を意識してこまめに電源をオン/オフするよりは設定温度を下げるなどの工夫をしながら運転を続けるほうが効果的である」と考えられます。

~ ~ ~ ~ ~
今回は暇に任せていろいろ回りくどいことをしてしまいましたが、最近の高機能なエアコンを使えば、今回の分析結果のようなデータがダイレクトに得られる機能を備えているようです(笑)。