“分析”と“解析”の使い分け2016年01月22日

テレビを観ていると、ニュース番組などで“分析”や“解析”という用語がよく使われます。とりわけ、事故があった場合などには多用されるようです。

私は技術屋なので、何となくなのですが“分析”と“解析”を以下のように使い分けるようにしています。

 【分析】 データを細かく分けて整理することにより、対象とする事象の特性を見出すこと
 【解析】 データを用いて対象とする事象を理論的に明らかにすること

しかしながら、ニュース番組等では“分析”や“解析”という用語をどのように使い分けているのか、私には良く理解できません。英語では両者とも“analysis”となるので、ザックリ言えば“分析”や“解析”のどちらでも良いのかも知れませんが、私の使い分けと異なる使い方をしたアナウンスを聴くとどうも違和感を感じてしまいます。

そこで、辞書で両者の違いを調べてみることにしました。広辞苑(第4版)大辞林によれば、それぞれ以下のように説明されていました。

【分析】
◆広辞苑(第4版)
広辞苑_分析

◆大辞林
大辞林_分析

【解析】
◆広辞苑(第4版)
広辞苑_解析

◆大辞林
大辞林_解析

広辞苑および大辞林とも、「ある事象を研究(探求)するのに理論的なアプローチがある場合」を“解析”としているようです。そのような説明に基づけば、例えば航空機事故において「フライトレコーダーに記録されてデータから事故原因を究明するような場合」には“分析”という用語を使うのが適切なのでは?と思われます。

でも、分析と解析を英訳すれば両者とも“analysis”となるので、技術論文ならいざ知らず、テレビ報道における使い分けを気にするのは少々神経質すぎるかもしれませんね。