Cドライブの空き領域2014年11月10日

私が愛用しているデスクトップパソコン(HP m9580jp、Windows Vista)のハードディスクドライブ(HDD)をソリッドステートドライブ(SSD、容量256GB)に換装し、昨年末からCドライブとして使用してきました(詳しくはこちら)。


換装した当初には、そのCドライブの空き領域が半分以上あったのですが、あるとき30%程度まで低下しているのに気付きました。使用領域が大きくなりがちなビデオ、ピクチャ、ミュージックなどのフォルダーは予めCドライブ以外の場所に格納しているので、ユーザーフォルダーの使用領域が極端に大きくなることは考えられません。ちなみに、ユーザーフォルダーの使用領域を確認したところ、14GB程度でした。

であるなら、何が空き領域を減らしているのでしょうか。その原因を探るため、不可視ファイルやシステムファイルを表示するように設定し、フォルダーやファイルの一つ一つのサイズを確認しましたが、謎は深まるばかりで簡単には原因が分かりませんでした。

その後、時間をかけていろいろ原因を探ってきたところ、ようやく謎を解くことができましたので、今回のブログでその概要を紹介したいと思います。


Cドライブの“使用領域”と“空き領域”については、“プロパティ画面”で確認することができます。
Cドライブのプロパティ画面

上に示したプロパティ画面は、空き領域がやや少なくなっているときの例です(注意:上述した空き領域が30%まで低下した状態とは異なります)。この例の場合には、使用領域が90GBほど、空き領域が148GBという状態です。

この状態でCドライブの内容を表示すると、サイズが大きいファイルは“pagefile.sys”と“hiverfil.sys”の2つで、これら2つがかなりの割合を占めていることが分かります。全ファイルの合計は8GBほどでした。
Cドライブ内のファイル

参考までに言えば、pagefile.sysは「仮想メモリー」の機能に関係したファイルであり、hiverfil.sysは「休止状態」の機能に関係したファイルです。仮想メモリーや休止状態をオフに設定すれば、約8GBの空き領域を増やせることになりますが、あまり現実的ではないかもしれません。

一方、Cドライブ内のフォルダーについては、以下のような構成になっています。
Cドライブ内のフォルダー

フォルダーの一つ一つをプロパティ画面でサイズを調べ、総てを合計すると61GBほどになります。ちなみに、サイズが大きいフォルダーは、Windows、Program Files、ProgramDataの3つで、これらを合計すると37GBほどになります。

ここで、前述した“”に遭遇します。Cドライブに含まれているファイルやフォルダーを合計すると約69GBになるのですが、Cドライブのプロパティ画面で表示される使用領域は約90GBなんです。両者の差である21GBはいったい何に使われているのでしょうか。う~ん、“謎”です。


あるとき偶然に、その謎を解く手掛かりが得られました。Cドライブだけでなく、記憶装置をボリューム単位で詳細に分析できるフリーソフト(WinDirStatPortable)を入手できたので、このフリーソフトを使って謎のCドライブを分析してみました。その結果を次に示します。
Cドライブの分析結果①

この分析により、謎の使用領域21GBとほぼ同じサイズが「Unknown」フォルダーとして見えるようになりました。このUnknownフォルダーが何に使われているのかが解明できれば、謎の空き領域減少に対して解決策が見出せるかもしれません。


ここからが難題でした。とりあえず思いつくままに、ブラウザのキャッシュ、テンポラリーファイルなど、謎に関係のありそうなものを手探りであたってみました。しかしながら、謎の21GBを説明できるようなものはなかなか見つかりませんでした。

そのような模索をしばらく続けていると、あるとき「システムの保護」という機能が関係しているのかもしれないと閃きました。

「システムの保護」というのは、節目節目ごとのシステム状態に復元することができるよう“復元ポイント”を作成する機能です。このためには、ある時点の状態にシステムを復元するのに必要なデータ(復元ポイント)を保存しておく必要があり、例えばWindows Updateにより更新プログラムをインストールする場合、インストールの前に自動的に復元ポイントが作成されます。

この「システムの保護」機能をオフにすると、これまで蓄えられた“復元ポイント”がすべてクリアされますので、“復元ポイント”のクリアを試しました。手順としては、システムのプロパティ画面で自動復元ポイントのチェックを外し、パソコンを再起動するだけという簡単なものです。

再起動後、Cドライブのプロパティ画面で使用領域と空き領域を確認しました。
Cドライブのプロパティ画面②

なんと! 使用領域が69GBとなり、謎の21GBがきれいになくなっていました。その結果、空き領域が21GB増えて169GBとなりました。これで、Cドライブの中身(ファイルやフォルダー)を合計した値と使用領域が一致するようになりました。

どうやら、の原因は“復元ポイント”の蓄積だったようです。

確認のため、WinDirStatPortableを用いてCドライブの分析を行ったところ、次のようになりました。Unknownフォルダーのサイズがゼロになっています。
Cドライブの分析結果②

「システムの保護」機能をオフにしたままでは、いざというときに復元できなくなってしまいますので、その後「システムの保護」機能を再度オンにしました。とりあえず手動で“復元ポイント”を作成したところ、空き領域が約3GB減少しました。どうやら“復元ポイント”を作成するたびに約3GBずつ記憶領域を消費するみたいです。これより、上述の21GBという謎の使用領域には7回分の“復元ポイント”が蓄積されていたものと考えられます。

Windows Updateでシステム関連ファイルが更新されるとき、“復元ポイント”が自動的に作成されるため、空き領域がそのたびに減っていきます。古い“復元ポイント”を使ってシステムの回復をすることはあまり考えられないので、パソコンが安定して作動している場合には、これまでに蓄積された“復元ポイント”を定期的にクリアするのが空き領域をむやみに消費しないための現実的な方法ではないかと思われます。ただし、クリアした直後には、用心のため“復元ポイント”を手動で作成しておくことをお忘れなく。

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