稲刈りで思い出すこと2016年09月16日

いまは稲刈りの最盛期です。あちこちでコンバインによる稲刈りが行われています。

そんな中、珍しくコンバインを使わない稲刈りを目にしました。手で一株ずつ刈り取り、“おだがけ”という方法で刈り取った稲を乾燥させています。
 
稲の乾燥

このような風景を見ると、私が小学生の頃の学校行事を思い出します。

私が通った小学校では、運動会とか学芸会といった一般的な学校行事のほかに田舎特有の学校行事が幾つかありました。その一つが“落ち穂拾い”です。学童全員が南京袋(麻袋)持参で登校し、学校周辺の田んぼに出かけて稲刈り後の田んぼに落ちている落ち穂を拾うんです。

学童全員で拾うとそこそこの量が集まり、数俵ほどの成果があったようです。それを売って音楽教育用のオルガンを購入したということも思い出します。

落ち穂拾いのほかに、“イナゴ捕り”という学校行事もありました。稲刈りの後に乾燥させている稲穂に集まるイナゴを捕るんです。これも学童全員で行いました。捕ったイナゴは佃煮を作る業者さんに買った貰うんです。それによって得られたお金を教材費に充てていました。最近はイナゴの佃煮なんてあまり目にしませんよね。

それから、初冬になると“松笠拾い”という行事もありました。海岸の防風林(松林)に行って落ちている松笠を拾ってくるんです。拾った松笠は学校の教室の近くに蓄えておき、冬になるとストーブの焚き付けに使うんです。そう言えば、ストーブに火を入れるなどの作業はすべて学童が自ら行っていましたね。

このような田舎特有の学校行事はとても楽しかったと記憶しています。現在で言えば“校外学習”に相当するのでしょうね。

学校行事ではないのですが、田舎特有の学校運営として“田植え休み”や“稲刈り休み”という特別休校がありました。あの時代には、農繁期になると小学生も戦力として田んぼに駆り出されるので、学校を休みにする必要があったんです。もちろん、その特別休校の分、夏休みや冬休みが町の小学校より短かったようです。

昔は、現在の小学校では想像もできないようなことが行われていたんですね。