ナビのバックガイド表示2016年09月29日

我が家の買い物車“パッソ”にも、娘の通勤車“ヴェゼル”にも、ナビのバックカメラ映像に予想進路が表示される“バックガイド表示”の機能が付いています。最近のナビ付きのクルマでは、この機能が付いているのは当たり前になっているようです。

このガイド機能を使えば、後退駐車の際、駐車スペースにきれいに納めるのにどのようにハンドル操作をすれば良いのかが容易に理解できるようになり、初心者には重宝されているようです。
 
直進状態

ハンドルを切った状態

私はこれまで、「操舵角の情報を使って後退時の走行軌跡を予測し、後方の映像に重ねて表示する機能をプログラムすることはさほど難しいことではないだろうな」との漠然とした認識から、それ以上深掘りしていませんでした。

でも、あるときふと「普通のクルマには操舵角センサーなんて装備されていないと思われるのに、どうやって操舵角の情報を得ているのだろう」という疑問が湧きました。

この疑問については、ディーラーの知人から納得できるレクチャーをしていただきましたので、だいぶ理解が深まりました。

バックガイド表示の機能が出てきたのは、従来の“油圧式パワーステアリング”に替わり“電動式パワーステアリング(以下、「電動PS」と略記)”が出てきた時期と同期しているのだそうです。
   ※ 電動PSの実用化時期については、こちらを参照してください。

電動PSでは操舵トルクの検出が必須であり、さらに操舵角も検出するようになっています。したがって電動PSによる操舵角の情報を使えば、バックガイド表示が可能になるんですね。

そこまで理解したら、さらにもう一つ疑問が湧いてきました。工場オプションのナビなら、CAN-BUS(詳しくはこちらを参照してください)から信号を取り出すことが可能のは分かりますが、ディーラーオプションなどの後付けナビの場合にはどうやって操舵角の信号を引き出しているのでしょうか。

ディーラーの知人によれば、最近のクルマでは、後付けでどのようなものが付くのかを想定し、必要な信号を容易に取り出せるようコネクターが用意されているのだそうです。これにより、後付けで装備する際には指定のコネクターに接続すれば済むという訳なんですね。

そう言えばCAN-BUSとは別だと思いますが、カーオーディオなどもスピーカーをフル装備することを想定したハーネス形態になっており、後付けでスピーカーを取り付けるときには用意されたコネクターに接続するだけで済むようになっていますよね。

ナビの場合には、ディーラーオプションだけでなく、アフターマーケットのものが取り付けられることが多いので、車速、駐車ブレーキ、後退ギヤ位置など必要な信号が容易に取り出せるようになっており、またバックカメラ用の配線も標準のハーネスに組み込まれているのだそうです。

ただし、信号の取り出し方は車種ごとに異なるので、アフターマーケットのナビには車種ごとの配線キットが用意されているようです。

なぁるほど。   これで“バックガイド表示”の機能についてはだいぶ理解が深まりました。
改めて我が家のパッソに装備されているディーラーオプションナビの取扱説明書を調べたところ、ナビを別のクルマに付け替える場合には、一通りの初期設定が必要であり、その中にはバックガイド表示に関することも含まれているようです。具体的には何の設定が必要なのか調べたところ、正しいバックガイド表示のためには直進状態と最大舵角の設定が必要のようです。

最後に、“バックガイド表示”の機能は初心者にとっては便利なようですが、長年バックカメラなしの状態で運転してきた私のようなドライバーにとっては、進路予想線はジャマなだけに思えます。なので、後方確認のためにカメラ映像は利用しますが、進路予想線の表示はしないように設定しています。