反射型石油ストーブのレビュー ― 2014年02月24日
所帯を持ったとき以来使い続けた反射型石油ストーブ(以下、「ストーブ」と略記)は一応ガラス芯が付いていたのですが、30年以上使うとさすがに芯が劣化してボロボロになってしまいました。それでも芯の出具合を調整しながら騙し騙し使っていたのですが、いよいよ調整ができなくなってきたので、これまでのストーブを廃棄処分して買い替えることにしました。(廃棄したのは数年前の話です)
◆ストーブの購入
これまでのストーブはワイドタイプで場所をとっていたため、「今度買い替えるときはコンパクトなものにしよう」と考えていたので、値段が安いことも手伝ってスリムタイプ(コロナ製、SX-2410Y)を購入しました。
◆ストーブの購入
これまでのストーブはワイドタイプで場所をとっていたため、「今度買い替えるときはコンパクトなものにしよう」と考えていたので、値段が安いことも手伝ってスリムタイプ(コロナ製、SX-2410Y)を購入しました。
使ってみたところ、スリムタイプで場所をとらないのは良いのですが、本来の暖房性能が満足できるものではないことが分かりました。ストーブの正面近くに座ってもあまり暖かさを感じられず、その一方ではストーブの上に載せたやかんの水が沸騰し過ぎて火力調整が困難なのです。
どうやらスリムタイプのストーブは、灯油を燃やした熱が反射鏡によって前面に出るよりも上方に出るほうがはるかに多いようです。また、正面近くにいてもあまり暖かさを感じないのは、反射板による輻射熱が狭い範囲にしか出ないためと思われます。ストーブの真正面にいるとまあまあ暖かく感じるのですが、ちょっと斜めに位置を変えた途端に暖かさが弱まってしまいます。
反射型とは異なりますが、同じ石油ストーブで“対流型”というのがあります。購入したスリムタイプは、ワイドタイプの反射型と対流型との中間のような特性となっているように思われます。
せっかくストーブを購入したので、何とかならないものかと工夫してみました。その一つが天板の改造です。熱が上方に逃げすぎるのを防ぐため、ステンレス板を使って天板を二重にしました。
天板のスリットを全部ふさいでしまうと、ストーブ本体に熱がこもりすぎて危険になるので、一部のスリットを残した状態にしました。念のため、天板を二重にする前と後で本体(側面および背面の鉄板)の温度をチェックし、天板の追加による悪影響がないことを確認しました。
天板を追加した結果、天板上のやかんのお湯の沸き具合はちょうど良い具合になりました。ストーブ真正面での暖かさも多少改善したように思われますが、斜めに位置を変えると暖かさが弱まるのは変わりませんでした。やはり正面の広範囲な暖かさに関しては、反射鏡の大きさに大きく依存するものと思われます。
このような試みをしながら我慢して使っていたのですが、居間用のメインの暖房器具として使い続けるのは無理があると判断し、ワイドタイプの反射型ストーブを購入することにしました。
購入したのはトヨトミ製(RS-D29B)です。廃棄したストーブもスリムタイプのストーブもコロナ製でしたので、「この際トヨトミ製も使ってみよう!」と思ったからです。“コロナ”および“トヨトミ”は、反射型石油ストーブの代表的ブランドなので、、、、、
使ってみたところ、以前のワイドタイプと同様、期待通りの暖房性能でした。真正面だけでなく、多少斜めの位置にいても十分暖かく感じられます。また、ストーブの上にやかんを載せた場合、天板が広いのでやかんの置き場所を調整することによって火加減を強火からとろ火まで調整することができます。
「やはり、メインの暖房器具として使うならワイドタイプでなくては!」と再認識した次第です。
ところで、「購入した2台のストーブの暖房出力に関する仕様が暖かさに影響しているのでは?」との疑問もありましたので、両者の仕様を確認しました。仕様書に記載されている両者の暖房出力は以下の通りです。
●スリムタイプ(コロナ製)…………2.42kw
●ワイドタイプ(トヨトミ製)………2.87kw
仕様上は確かにトヨトミ製のほうが暖房出力が18%ほど大きいので、暖かさの違いは暖房出力の違いによる可能性もあるのですが、実際に使用したときの灯油消費量はほとんど変わりませんでした。スリムタイプはあまり暖房効率が良くないのかも知れません。
新たにワイドタイプのストーブを購入したことで、居間用の暖房が満足できるレベルになったので、スリムタイプのストーブについては急速に部屋を暖めたいときに併用するなど、補助的に使うことにしました。
◆コロナ製とトヨトミ製の比較
コロナ製のセールスポイントは“よごれま栓”です。“よごれま栓”というのは、給油の際にタンクの蓋を開閉するのに手を汚さなくても済むような機構を採用しているのだそうです。
確かに以前のストーブに比べれば、手を汚さずに給油作業ができるので、改善されているのだとは思います。
一方、トヨトミ製のほうはねじ込み方式の蓋ですが、蓋が二重構造になっていてやはり手を汚さずに給油できます。加えてこの二重構造により必要以上に締め込み過ぎないよう、クラッチ機構が付いています。
次に比較するのは、消火後のニオイ消し機能です。両者ともニオイ消し機能が付いているのですが、実際に使って比較してみると、その性能はトヨトミ製のほうが優れているように思います。ただしニオイが少ない分、トヨトミ製のほうは完全に消火するまでの時間が長いようです。
最後に、使い勝手についての比較です。
トヨトミ製は、調整ダイヤルの位置が判別しづらいデザインになっています。なので、自分で白いテープを貼って判別しやすいように対策しました。また、ストーブ使用中のダイヤル位置が真上でないのは何となく落ち着きません(全体の写真参照)。良い点としては、電子点火方式が挙げられます。ダイヤルを回すと同時に点火できるのは大変便利です。
一方、コロナ製にはダイヤル位置が識別しやすいようにデザインされており、使用中の位置が真上になっているのも人間工学的に優れたデザインだと思います。点火方式については、点火ヒーター方式なので多少時間がかかり、芯を出すダイヤル操作と点火ボタンを押す操作の2アクションとなるのでちょっと面倒です。
両者には、タンクを持ち上げると自動的に消火装置が作動するようになっているのですが、これが“余計なお世話”といった感があります。灯油残量をタンクの重さで確かめたいと思い、タンクを持ち上げると自動消火装置が働いてしまいます。灯油残量表示の機能があると便利のですが、残量が少なくなったときの表示機能しかありません。他社製品と差別化を図るなら、灯油残量表示機能がポイントになるように思います。
灯油残量表示はそれほど正確である必要はないので、タンクの重さを利用した簡便な機構で実現できるように思うのですが、、、、、。次に買い替えるときには、このような機能が備えられていることを期待したいと思います。
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以上が我が家で購入した反射型ストーブに対する雑感ですが、誤解を避けるため以下のことをお断りしておきたいと思います。
①上述のレビューは、我が家で購入したストーブを対象とした
ものであること。
②同一メーカーでもいろいろな商品があり、どの商品を取り
上げるかによって比較の結果は大きく変わり得ること。
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